小学生くらいの時に俺も夢の中でだけ会う友達がいた。
その頃は夢と現実の区別ができなかったみたいで、そいつが現実にいるような気がして親とかにもそいつとどんな事して遊んだとか、誕生会に招待したいとかそんな事を言ってたんだけど、高学年くらいになってやっとそいつが夢の中にしかいないんだって気が付いた。
確かにその頃友達が少なかったから、夢の中で架空の友達作って遊んでるなんて言うのは恥かしいって思うようになって、親とか他の友達にもそいつの事は話さないようになった。
中学生か高校生くらいまでは大体同じように成長してて、子供の頃は普通に鬼ごっこみたいな事したり二人で何か作ったりしてたし、中学になるとゲームしたり、高校になると何でか一緒に勉強したりしてたこともある。
普通の友達みたいにただ同じ部屋でゴロゴロ別の漫画読んでるとか、そいつがテレビ見てて、俺が漫画読んでるとかそんな事もある。
子供の頃は毎日みたいに出てきてたけど、中学くらいから週1くらいでしかそいつの夢を見なくなって、今ではほとんど出てこないけど、でもたまに出てきては一緒に酒を飲んだりしてる。
ただ、成長が追いついてこない感じで俺はもうおっさんなんだけどそいつはまだ高校生か大学生くらいの感じで止まってて、それを指摘すると少し困ったような悲しいような顔をする。
詳しい理由は教えて貰って無いけど、親父の会社が危なくなって、多分それを原因で両親が離婚するしないで家の中がギスギスしだして、
借金取りが来たり、俺はやりたい仕事があって大学に行きたかったので、学費の事とかを調べたりでかなりストレスをためてた。
そんな時、またそいつの夢を見た。
普段はどこかの制服みたいな格好とか、Tシャツにジーパンとか俺と違わない格好で出てくるんだけど、その日そいつは着物みたいなものを着ていた。
着物といってもカッチリした感じでは無くて、温泉で着る寝巻きの浴衣みたいなものを着ていて、俺を見た事の無い家に連れて行くと畳の部屋に座らせた。
夢の中でそいつと場所を移動するっていうのはその時が始めてだったと思う。
そしたら何も無かったちゃぶ台の上に突然新聞紙くらいの大きさの白っぽい紙が出てきて、そいつが指でその上をなぞるというか辿るというか、そうしたら上手く表現できないんだけど、目では真っ白なんだけど、書いてある文字だけが頭の中に入って来る感じがした。
それは全部俺の未来の出来事だった。
俺が大学に行く為の方法はその時いくつかあったんだけど、例えば奨学金を貰うとか、何年か仕事して金溜めてから進学するとか。
だけどそいつが示した三つの未来には親が離婚しないで俺が大学に行く未来と、親が離婚して俺が奨学金を貰う未来と、それからもうひとつ不思議な未来があった。
それは俺がその当時全く知らない人や場所が出てくる想像の範疇を超えたものだった。
そいつは不思議な事をしている最中は無表情だったけど、それ以外はとても急いでいるような感じで怒っているようにも見えたし、怯えてるようにも見えた。
多分あれはしてはいけない事をしたんじゃないかなという感じで、その時はじめてそいつが俺が作った想像じゃなくて存在してる何かなんだろうなと思った。
その後俺はそいつの三つ目の未来に従ってその場所へ向かい、大きな事故に巻き込まれた。
人が何人も犠牲になっている事故だから詳細は伏せるけれど、俺はその大きな事故に巻き込まれた結果数ヶ月入院して大学受験には間に合わなかった。
それも、そいつの見せてくれた紙に書いてあった。
俺がそんな大きな事故に巻き込まれたことで両親は離婚をするタイミングを失ったんだと思う。
両親は離婚しなかったし、それからそれをきっかけにして疎遠になっていたじいさんの兄弟が色々と援助してくれる事になった。
その人は俺のじいさんが死んだ後、結婚もしていなかったし、定年してフィリピンへ移住してたので全く連絡がつかなかったのが俺がテレビ報道されるような大きな事故に巻き込まれたのを聞いて一時帰国の時に立ち寄ってくれたらしい。
その位その人とは疎遠だったんだ。
俺はその後無事に大学に行けた。
親父の会社は無くなってしまったけど、両親は共働きしてまで俺を大学へいかせてくれた。
1年後れた分勉強もできたし、俺は志望校に入学して希望していた職に就く事ができた。
それから一昨年、その時助けてくれたじいさんの兄弟が体調を崩したのを切欠にその人を家で引き取った。
親戚からは遺産目当てだとか色々言われたけど、あの時助けて貰った恩返しに俺が面倒を見たいと言ったら周囲も納得してくれて、日本へ帰ってきてもらった。
これもその時あいつが見せてくれた紙に書いてあった通りにしただけの事なんだけど、そしたら去年洪水があった。
分岐点はあと幾つかある。
ただ心配なのは全部がその通りになっている訳では無くて、俺はその事故でもっと重症を負はずだったんだけど、意外と軽症で済んだ。
変わりにそいつが少しだけその場所を不自由に動かすようになった。
そいつが俺に起きる不幸を肩代わりしてくれてるのかもしれない。
じいさんの兄弟が病気になって引き取る時も、洪水が有った後も、そいつは見るからにぐあいが悪そうだったり一部が欠けて現れたりする。
霊能者に見てもらったことが一度だけあるけど、特に何もついていないといわれるし、俺の守護霊になってくれそうな人も居ない感じなんだ。
俺には良い事ずくめなんだけど、このままだとそいつが消えちゃうんじゃないかとちょっと心配してる。
長々読んでくれてありがとう。
駄文すまない。
面白かった。誰だろうね?>夢の子
何だか25と実際に関わる(守る)人の様な気がするよ。
数年間夏に見る同じ夢が有ったけど、夢の子は年を取って無かったと思う。
一緒に酒飲んだりできるっていいなあ
ご先祖さまか、生まれるはずだった兄弟とか?
自分は夢の中にしか出てこない街がある
そこで出会う人は一定しないけど、小さいころから何度も何度も
夢の中で行ってるから、地理は完璧に把握している
自分が住んでいるのは超田舎なのに、そこは地方都市ってイメージ
引用元: 夢で会った女の子の話